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遺言執行者について

 遺言執行者とは、民法1012条第1項によって、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有すると規定されています。遺言執行者は、遺言者の死後に遺言の内容を実現するために手続きをします。

 遺言執行者は、相続人や受遺者も就任することができ、個人だけでなく法人もなることができます。

 ちなみに、民法1009条で未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができないと遺言執行者の条件についての規定があります。

  遺言を作成した遺言者の死亡によって開始しますが、場合によっては遺言を作成して10年、20年経過していることもあります。

 もし、遺言者が他に遺言を作成している可能性があれば相続人らにも確認をする必要があります。

 前の遺言を撤回している場合もありますし、内容が抵触している場合もあるからです。

 また、遺言者が法務局に自筆証書遺言を預けている可能性があれば、遺言執行者としては請求可能であるため、法務局で保管されている自筆証書遺言の遺言書情報証明書の交付請求を行ってみます。

  

遺言執行者の手続き流れ

 1.遺言執行者の就任承諾

 2.遺言執行者は就任を承諾したときに、直ちに執行に着手します。

 3.遺言の種類を確認する。

 自筆証書遺言か公正証書遺言か、それ以外の遺言かを確認します。自筆証書遺言で検認手続きが済んでいなければ検認手続きを行います。法務局に保管されている自筆証書遺言であれば、遺言の原本は法務局に保管されているため、遺言書情報証明書の交付請求を行います。

 4.相続人の調査、相続人に通知

 遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく遺言の内容を相続人に通知しなければなりませんので、相続人に遺言の内容を通知し、財産目録を交付します。遺言執行者に就職したこと、遺言の内容、遺言執行者の職務についての概要といったことを伝えます。

 遺留分侵害額請求権に対する対応としましては改正前と異なり、遺留分を侵害する限度で失効してしまうということはなく遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることになります。そのため、遺言執行者は粛々と手続きを進めていくことができます。

 5.遺産の調査、財産目録の作成と交付

 財産目録については相続人の通知書に同封する際、完成されたものでなくとも調査未了である旨を付記した未完成のものでも同封して送ります。預金があるのであれば残高証明書等の取得が必要となってきます。

 6.遺言執行業務

 預貯金口座の解約、株式の名義変更や不動産の相続登記を行います。

 7.業務の終了報告

 預かっている書類の全部を相続人や受遺者に渡し、遺言執行事務終了の通知及び受取物の引渡し、結果報告を行います。 

 遺言執行者の費用償還請求権等(民法1012条3項、650条)

 遺言執行者が費用を支出した場合、相続人に対してその費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求できます。

 他には、遺言執行者がその執行に必要な債務を負担した場合、相続人をして自己に代わってその弁済をなさしめ、弁済期でないときは相当の担保を提供させることができます。

 報酬について遺言で定められていない場合、家庭裁判所に報酬付与の審判申立てをして決めてもらうことができます。また、相続人と遺言執行者で協議を行い、報酬を決めることもあります。