相続財産管理人とは、令和3年の民法改正法の施行により従前の相続財産管理人が「相続財産清算人」として定められたのに対して新たに設けられた制度です。
相続人が存在していても相続財産が適切な管理がされず放置された状態を避けるためにもこの制度が必要とされており、相続人が存在する場合はその全員の法定代理人という法的地位になります。
この制度は、相続財産の保存のために選任されまして相続財産が無管理状態とならないよう利害関係人または検察官によって手続きがなされます。
選任申立てを行う利害関係人とは、被相続人からの物件取得者等、本人死亡時の後見人等や相続財産の保管者、相続債権者や死後事務委任契約の受任者等が挙げられます。
相続財産の保存のための選任審判が申立てられますと、管轄の家庭裁判所にて調査がなされます。
相続人が存在する場合の選任に際しては、相続人が適切な管理をしないといったケースで相続財産管理人が必要かどうかも調査されます。
相続財産管理人の業務としては民法897条の2第2項に規定があり、財産目録の作成と裁判所が命じた財産の保存のために必要と認めた処分があります。
そして、財産目録は2通作成し、1通を家庭裁判所に提出しなければならないと定められています(家事事件手続規則101条)。
また、保存行為や物または権利の性質を変えない範囲内での利用や改良を目的とする行為です。もし、これを超える行為を行うときは家庭裁判所の許可を得て行うようになります。
参照条文(相続財産の保存)
第八百九十七条の二 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。ただし、相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、相続人が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき、又は第九百五十二条第一項の規定により相続財産の清算人が選任されているときは、この限りでない。
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
