相続が開始しても、相続人が不存在であれば遺産は相続財産として法人となります。
相続財産が法人となりますと、利害関係人等の請求によって相続財産清算人が選任されます。相続財産清算人は、相続人を捜索しながら、相続財産を管理、清算し、相続人がいないということが確定した場合、相続財産の全部または一部を特別縁故者へ分与し、残余財産があれば国庫へ引き継ぐという業務を行います。
民法改正前では相続財産清算人とされていましたが、名称が相続財産清算人となり、代わりに相続財産を保存する者として別で相続財産清算人が選任されることとなりました。
相続財産清算人の手続きの流れ
相続財産清算人選任申立
相続財産清算人選任申立書の作成
1.添付書類として、被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
2.被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本など
3.被相続人の住民票除票又は戸籍附票
4.財産を証する資料として不動産登記事項証明書、預貯金及び有価証券の残高が分かる書類など
5.利害関係人からの申立ての場合、利害関係を証する資料
申し立て先
相続財産清算人選任申立ては、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
相続財産清算人の選任についての申立人は、利害関係人または検察官とされています。利害関係人とは、例えば相続債権者、相続財産の管理者、特定受遺者、特別縁故者などが挙げられます。
相続財産清算人の選任及び相続人捜索の公告
相続財産清算人が選任されますと、家庭裁判所は相続財産清算人が選任されたこと及び相続人捜索の公告をします。この公告がありますと、相続財産清算人は相続債権者及び受遺者に対し、2か月以上の期間を定めて、その期間内に請求の申し出をすべき旨を公告します。
これは、全ての相続債権者等に対する官報公告と知れている債権者等に対して各別に催告をしなければなりません。
注意点として、最初の相続財産清算人の選任及び相続人の権利主張の公告の期間が満了する前にこの債権等の申出の公告が満了しなければなりません。
また、この官報公告は家庭裁判所が行ってくれるものではなく、相続財産清算人自身が官報販売所にて行うものですので忘れないよう実施する必要があります。ですから、相続財産清算人に選任された後、相続人の権利主張催告の公告が行われたのを確認しましたらこの公告を早めにしておくようにします。
請求申出の公告期間満了した後は、相続債権者、受遺者に対して弁済をします。
なお、相続財産清算人は、相続財産を調査し、財産目録を作成します。不動産があれば、相続財産法人名義に変更する登記手続きを行ったりします。
特別縁故者に対する財産分与の申立て
公告期間満了後、3カ月以内に特別縁故者に対する相続財産分与の申立てがされることがあります。
相続人不存在の確定
相続人捜索の公告期間内に相続権を主張する者がなければ相続人不存在が確定し、相続債権者、受遺者に対して弁済をした後、場合によっては特別縁故者への相続財産の分与をしても残った財産がある場合、その財産は国庫に帰属します。
