離婚の財産上の効果として、民法上は財産分与請求権が規定されています。財産分与とは、婚姻期間中に築いた財産を分けるという制度です。
財産分与請求権には、財産関係の清算、離婚に伴う損害の賠償、離婚後の配偶者に対する扶養として行われます。
離婚の当事者の一方は相手方に対して、財産分与を請求できますが、除斥期間があるため、離婚時から2年以内(施行時期は未定ですが、5年に伸長)に請求しなければなりません。
また、婚姻前からあった財産や、婚姻後に相続した財産は夫婦が築いた財産ではないため、原則は財産分与の対象とはなりません。
なお、財産分与によって不動産の名義を変えるには、所有権移転登記手続きによって行います。
土地と建物の名義変更をする場合、必要書類としましては以下のとおりです。
財産分与の登記で使用する書類
1 権利証
2 印鑑証明書(作成後3カ月以内のもの) 1通
3 住民票 1通
4 固定資産評価証明書 1通
以上が必要です。他に委任状や登記原因証明情報など押印書類が必要となります。
また、実費の登録免許税として、固定資産評価額の1000分の20で算出した額が必要となります。
仮に、不動産がまだ住宅ローンの返済中である場合、抵当権者である銀行は、住宅の名義変更について返済の期限の利益喪失事由とする定めを置いていることが一般的です。
その定めがある場合、住宅を財産分与で配偶者に譲渡して所有権移転登記を行い、ローンの返済を継続していくには事前に銀行の承諾を得る必要がありますが、一般的には承諾を得られないことが多いとされます。
住宅は夫の所有名義で債務者も夫であり、ローンが完済されていないというケースが多いのではないでしょうか。そして、住宅を財産分与として妻所有にして妻が居住を続けるという場合、所有権移転登記を行えるか問題が生じます。
そのため、住宅の所有者である夫から妻への所有権移転登記は住宅ローン完済後に行うこととして、所有権移転仮登記を行っておくことが考えられます。
